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【参加登録】国際法の見地から捉えるシリア危機 −国連シリア調査委員会による報告と国際的訴追の展望−

Stand with Syria Japanでは、東京大学大学院「人間の安全保障」プログラム(HSP)と共に「国際法の見地から捉えるシリア危機 −国連シリア調査委員会による報告と国際的訴追の展望−」を共同主催いたします。(共催:国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)、グローバル地域研究機構 (IAGS) 持続的平和研究センター)

【日時】2018年3月21日 (水曜・祝日)
16時00分—20時30分
【会場】東京大学 駒場キャンパス5号館 2階 524教室
5号館の場所はこちらをご覧ください。(駅は井の頭線「駒場東大前」になります)
【言語】日本語・英語 併用
(英語には日本語の逐次訳が付され、日本語部分には英語の要約が付されます)
【対象】一般、学生、教職員 | 資料代500円

*セミナーは「チャタムハウスルール」適用の元で運営されます。
∟参加者は当セミナーで得た情報を外部で自由に引用・公開することができますが、その発言者・所属機関を特定する情報、並びに特定につながる情報の公開はできません

お席確保のため、ご参加希望の方は以下フォームより参加登録をお願いいたします。
(フォームを下にスクロールすると送信ボタンが表示されます)

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【3月21日開催】国際法の見地から捉えるシリア危機 -国連シリア調査委員会による報告と国際的訴追の展望- “Syria Crisis” and the Findings of UN Commission of Inquiry: Prospect of International Prosecution

国際法の見地から捉えるシリア危機
-国連シリア調査委員会による報告と国際的訴追の展望-
“Syria Crisis” and the Findings of UN Commission of Inquiry:
Prospect of International Prosecution

Stand with Syria Japan(SSJ)では、3月21日に東京大学大学院「人間の安全保障」プログラム(HSP)と共同主催でシリアにおける国際法違反に関する研究セミナーを開催いたします。

皆様ご承知の通り、シリアでは重大な国際法違反(「国際犯罪」を含む)が横行しており、市民はこれまで圧倒的な暴力に晒されてきました。現在東グータ地域は文字通り地獄と化しています。このような、到底看過できない人権蹂躙・侵害におけるアカウンタビリティ(責任明白化と刑事訴追追及)を今後確保して行く上でも、大変重要なセミナーとなりますので、皆様どうぞ奮ってご参加ください。

SNSでの拡散や周りの方へのイベント情報の周知にもご協力いただけますと幸いです。
※事前登録いただかなくても参加は可能ですが、こちらの参加フォームより事前登録をいただけますと幸いに存じます。以下イベントの詳細となります。


【日時】2018年3月21日 (水曜・祝日)
16時00分—20時30分

【会場】東京大学駒場キャンパス5号館 2階 524教室
5号館の場所はこちらをご覧ください (最寄駅:井の頭線 駒場東大前)
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_04_j.html

【主催】
東京大学大学院総合文化研究科「人間の安全保障」プログラム (HSP)
Stand with Syria Japan – SSJ

【共催】
国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)
グローバル地域研究機構 (IAGS) 持続的平和研究センター

【対象】一般、学生、教職員 | 資料代500円

*当セミナーは「チャタムハウスルール」適用の元で運営されます。
参加者はセミナーで得た情報を外部で自由に引用・公開することができますが、その発言者・所属機関を特定する情報、並びに特定につながる情報の公開はできません。

 【趣旨】
7年が経過したシリア内戦は、大国が有効な対応を講ずることがないまま、市民が残酷極まりない暴力に晒されており、国際社会を震撼させている。
日本における報道はシリア内戦の戦況や人道支援の側面に焦点を当てる傾向にあり、発展的な議論には結びついていない。
本セミナーでは、国際法違反とそれに伴う市民の犠牲について検証し、議論を深めることを試みる。
セミナーは以下三点の目的を有する。
第一に、シリアにおいて発生する暴力の種類と市民の被害の度合いを立証する。したがって、実際にシリアにおける国際法違反の検証に当たった国連シリア調査委員会(CoI)の元委員にスカイプ登壇いただく。第二に、シリア内戦における国際法の見地からの議論を加速させる。第三に、重大な国際法違反に対するアカウンタビリティの確保に対する展望を検証することである。

【プログラム】   総合司会:山田一竹 (Stand with Syria Japan 代表)
16:00 開会 15:30開場)
16:00-16:10 開会挨拶・趣旨説明
キハラハント愛 (東京大学大学院准教授)

16:10-17:00 イントロダクション
シリアで何が起きているのか(Skype)
Saleyha Ahsan(救急救命医、元People’s Convoy to Syriaメンバー、映像ジャーナリスト)

1 国連シリア検証委員会のメソドロジーと調査結果
17:00-18:00 元国連シリア調査委員会メンバー (Skype)
18:00-18:20 Q&A

18:20-18:30 
休憩

2 国際法による状況分析と訴追の可能性
18:30-19:15キハラハント愛(東京大学大学院准教授)
19:15-19:30 Q&A

19:30-19:40 休憩

3 コメント:人権の実践現場から
19:40-20:00 土井香苗(Human Rights Watch 日本代表)
20:00-20:20 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)シリア事務所幹部

総括
20:20-20:30 山田一竹 (Stand with Syria Japan 代表)
20:30 閉会

【国連シリア調査委員会】
シリア・アラブ共和国に関する独立国際調査委員会(The Independent International Commission of Inquiry on the Syrian Arab Republic:CoI)は、2011年8月、国連人権理事会の決議(S-17/1)により設立された、独立した専門調査機関。2011年3月以降シリアで発生した全ての国際人権法・人道法違反を調査するマンデートを与えられている。同時に、委員会は「人道に対する罪」等の重大な国際犯罪の責任者究明、アカウンタビリティ追及(責任明白化)のミッションを付与されている。設立以来、委員会は20を超える報告書を公開。人権蹂躙の実態を6000人以上の被害者や目撃者からの聞き取りを含む専門的な調査方法のもと検証している。

【登壇者プロフィール】
Saleyha Ahsan
英国を拠点に活動する救急救命医、ジャーナリスト。ボスニア、リビア、シリアにおける紛争地の最前線で救急救命活動に従事。2006年英国ダンディー大学修了(医学士)。2011年英国エセックス大学より法学修士号取得(国際人権法・国際人道法)。シリア国内の医療を支援することを目的としたクラウドファンディング型のプロジェクト「People’s Convoy to Syria」のメンバーとして、2016年にはアレッポ郊外に小児病院を建設することに貢献。また、映像ジャーナリストとしても活躍しており、BBC、Channel4 、The Guardian等の主要メディア上で、パレスチナ、カシミール、シリアなどの紛争地における医療現場を報道している。

土井 香苗(Kanae Doi
国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)日本代表。1998年東京大学法学部卒業。2000年より弁護士として、日本にいる難民の法的支援や難民認定法の改正のロビーイングやキャンペーンに関わる。2006年6月米国ニューヨーク大学(NYU)ロースクール修了。2009年ヒューマン・ライツ・ウォッチ東京事務所を開設、日本代表就任。著書に「“ようこそ”といえる日本へ」(岩波書店 2005年)他。

キハラハント  (Ai Kihara-Hunt)
東京大学大学院 総合文化研究科「人間の安全保障プログラム」准教授。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)職員としてジュネーブ本部、ネパール、東ティモール等各国での勤務を経て、2017年より現職。2016年英国エセックス大学より、法学博士号取得。指導教員は現国連ブルンジ独立調査委員会委員Françoise Hampson。専門は、国際人権法、国際人道法、国連平和活動、治安部門改革。著書に「Holding UNPOL to Account: Individual Criminal Accountability of United Nations Police Personnel」(Brill社 2017年)他。

山田 一竹 (Icchiku Yamada)
Stand with Syria Japan (SSJ) 代表。東京大学大学院 総合文化研究科「人間の安全保障」プログラム修士課程在籍(ジェノサイド研究)。2016年立教大学異文化コミュニケーション学部より学士号取得。2014年英国高等教育機関Foundation for International Educationにて紛争分析・解決トレーニング修了、現地の難民支援団体にて支援活動従事。2017年シリア危機に対応することをミッションに掲げた非営利団体「Stand with Syria Japan」設立・代表就任。

 


 

終戦(敗戦)の日に寄せて —シリア危機:問われる私たちの「人道」

終戦(敗戦)の日に寄せて

—シリア危機問われる私たちの「人道」


Stand with Syria Japan 代表
東京大学大学院総合文化研究科

「人間の安全保障」プログラム
山田一竹

 

1945年8月15日、長い戦争が終わった。日本において310万人以上、アジア全域で2,000万人以上、世界では6,000万人以上、統計によっては7,000万人以上が犠牲となった「第二次世界大戦」である。日本では、毎年この時期になると、戦争に関する様々な特番が組まれ、生存者の証言がメディアに登場する。各地において追悼セレモニーが執り行われ、多くの人が平和を祈念する機会となる。このように多くの日本に暮らす人々が平和や戦争に想いを馳せることは非常に重要である。私自身、祖母が大戦経験者であり、その体験談が私を平和研究へと導いたため、8月15日には特段の思い入れがあり、黙祷を欠かさない。
とは言うものの、どうしても気がかりなことがある。それは、この8月に限り、日本だけの「平和」について考え、過去の「戦争」の惨たらしさについてのみ考えるという「内向性」と「限定性」である。

凄惨な大戦から72年が経った現在、世界はまるで72年前に逆行するように、不和と分断、憎しみや怒りに覆われている。シリアでは、2011年3月より自由と尊厳そして正義を求めた平和的なデモが内戦へと突入し、はや6年が経過している。死者数が47万人を超えたという統計(Syrian Centre for Policy Research)もあり、これまで480万人以上が家を追われて難民となった。2011年以前は79.7歳あった平均寿命も現在は55.7歳を切っていると言われている。

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©Fadi Al-halabi | A Photographer from Syria | My Sincere Thanks to Dear Friend Fadi for the Powerful Pictures.

まさに廃墟と化したシリアにおいて、人々が爆撃の被害に遭い、命懸けで海を越えている様子は皆さんも一度は報道などを通して目にされたことがあると思う。それでも、人々の祈りがシリアの危機的状況に向けられることは極めて少ないと感じる。多くの人にとって、どれだけの人が爆撃で死んでいっても、「どこか遠い国で起こる野蛮な戦争の可哀そうな犠牲者」としてしか映らず、あくまで「他人事」なのであろう。

無論、シリアは物理的にも遠く、そもそも日本にとって馴染みの無い国であるから「自分事」として捉えろという方が無理矢理な要求だとも思う。私自身、日本とシリアの状況は余りにもかけ離れていることを痛感しているし、「自分事」として考えられない人々を責めることはできない。
それでも、現実として、人類史上でも最悪の分類に入るであろう「人道危機」が同じ世界で起きていて、多くのシリアの人々がこの瞬間にも無残に死んでいっていることを知っているにしては、日本における反応は余りにも薄い。
そこにはおそらく心理的要因が大きく働いているのではないだろうか。私自身、ここまで原稿を書く上で犠牲者を単なる「数」として表象、いや切り捨ててきた。これは、私にとって大きな苦痛が伴う作業である。それは、犠牲者数の裏には、そこに生きた一人ひとりの「個の生」が存在しているからである。

日本におけるシリア危機に関する報道のほとんども、戦況や大国の意向など国際政治を主軸にしたものである。もちろんこういった報道はとても重要で有益である。しかし、そこから膨大な犠牲者数の裏にある一人ひとりの姿を想像することは難しい。

皆さんは想像してみたことがあるだろうか。

Voices from Syria −「ホワイトヘルメット」隊員によるアレッポからの現地中継

2016年12月23日(金)開催「シリア−戦火と愛の慟哭…その狭間を生きる命『シリア・モナムール』上映会・講演会」における、「ホワイト・ヘルメット」(現在もシリアにおいて救援活動に従事する民間団体)の隊員によるシリアからの現地中継となります。アレッポ陥落の様子、避難後の生活状況、シリア人としての想い、そして日本の皆さんへのメッセージという非常に貴重で重要なメッセージです。ぜひ、ご一読ください。

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私は今、アレッポの西側にいます。

アレッポの包囲は3ヶ月と15日間前から続いていました。包囲網に対するロシアによる激しい爆撃が10日間続いたため、アレッポの西側に移動を強いられました。包囲下での状況は、想像を絶するものでした。人々は、飢え、薬や病院もなく、けが人の治療をする機関もなく、とても苦しんでいました。現在も、お年寄り、子ども、孤児、歩くことができないなどのハンディキャップを持った人々は包囲の中に取り残されています。自由シリア軍兵士も何人か残っています。

このような熾烈な状況に加えて、ロシアと政権側は、たる爆弾や化学兵器など、国際社会で禁じられている武器を使用しています。これらの爆撃により、すべての建物が破壊され尽くされ、人々が生活できる家屋はほとんどなくなり、必要な生活ラインも破壊尽くされました。アレッポ東部は、絶対に暮らせるような状況ではなくなりました。動物ですら空爆の音に怯えて暮らせないような状態なのです。

私は、包囲網から逃げ出す前には、爆撃を避けるため建物から建物へと移動しており、この状況は24時間以上にわたり続きました。その際私は、政権側のスナイパーが人々を撃ち殺している、瓦礫に多くの人が下敷きにされている、そして激しい爆撃が建物に降り注いでいる状況を目撃しました。私はジャーナリストとして活動もしていますが、ジャーナリストですらこの状況下では、人々を助けることも、写真や動画を撮影することも何の記録をとることもできませんでした。実際に、お年寄りも含んだ100人にのぼるとも言える人が岩や土、瓦礫の下敷きになり、怪我をしたり、死んでいましたが、爆撃が止まないため、「ホワイト・ヘルメット」でも助けることもできず、避難しなくてはなりませんでした。

そして、私は3ヶ月前の包囲が始まった最初の日から、メディアに「こういった過酷な状況がここで発生するだろう」ということを訴え続けてきましたが、誰も耳を傾けず、結局取り合いませんでした。

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次に、現在のアレッポでの食糧状態ですが、5人に対して、2日に5切れのパンが得られるだけです。これは、家族が10人でも5人でも関係ありません。ですので、1人は、1日にだいたい1枚の半分かけらのパンが食べられるだけです。また、水も清潔ではありません。井戸水を飲んでいますが、ガスも無いので煮沸することも、電気も6ヶ月間無いのでろ過することできず、不潔な水を飲むことで病気を引き起こしている人もいます。この過酷な状況に加えて、アレッポ市内の7つの病院・子どもの病院も全て破壊されてしまったので、人々や怪我をしている人々を助けることが全くできていません。

シリアで今起きていること、この状況は、我々が2011年に自由と誇りを求めて起こした革命の結果です。世界中の人々、国連はこのあまりにも熾烈な状況を、毎日何人が殺され、死んでいっているのかを知っています。それでも、ただ数を数えるだけです。各国の政府は、国連安全保障理事会で拒否権を行使するロシアや中国を囲んで、会議をしているだけです。これにより、国際社会の機能は停止されるのです。彼らの手は、殺されたシリアのすべての人々、子どもの血に塗られています。

この殺戮はいつまで続くのでしょうか?日本の皆さんや、日本政府は各国の他のどの政府よりもこの問題に責任を持っていただきたいです。特に、アサド政権やロシア側をはじめとする戦争犯罪人を裁くということに責任を持っていただきたいです。まず、2011年に平和的にデモをしていた市民を無差別に殺戮したアサド政権側は裁かれるべきです。

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そして、最後に、私たちは食糧やお金などの援助が欲しいのではないのです。私たちはただ自由が欲しいのです。私たちが何を想っているのかということを自由に話す、このイベントで今日行っているような、そんな自由が欲しいのです。私たちは、日本のように自由に発言ができる国になりたいのです。紛争を終わらせて、日本がかつて歴史の中で再建したように、私たちもシリアを再建してゆきたいのです。

 

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2016年12月23日

翻訳:ヤセル・ジャマール、山田一竹

※掲載画像の転用は固くお断りします。

イベント詳細

◆イベント動画

ホワイト・ヘルメットのメンバーの登壇は【1:56:40】から。

◆関連記事:

「決してシリアを忘れていない」立教大の学生が企画「シリア・モナムール」上映会・講演会(1)

「決してシリアを忘れていない」立教大の学生が企画「シリア・モナムール」上映会・講演会(2)

 

Voices from Syria – 在日シリア難民、故郷と日本への想い。

2016年12月23日(金)開催「シリア−戦火と愛の慟哭…その狭間を生きる命『シリア・モナムール』上映会・講演会」における、在日シリア難民であるヤセル・ジャマール氏による講演「私とシリア、そして、日本」の日本語訳となります。

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皆さん、こんにちは。本日はお越しいただき、そして、シリア情勢に関心をお持ちいただき、ありがとうございます。私の名前はジャマールです。今、24歳で、シリアのダマスカス出身です。今日は、シリアの状況、そして、私のシリアと日本での経験についてお話ししたいと思います。

まずは、シリアの場所を知らない方に、シリアがどこにあるのかをこの地図で示したいと思います。次は、シリアの首都ダマスカスの位置です。そして、日本とシリアの距離ですが、実はとても大きいもので、私がここにたどり着くまでには36時間も掛かりました。

では、ここでシリアの紛争前の写真をいくつか紹介していきたいと思います。まずこれらは、ダマスカスの写真です。これらの写真でダマスカスがどのような場所であったかが分かるかと思います。沿岸部や夏の風景。日本と同じように桜の木もあります。ここからは、悲しい写真となります。紛争の前と後です。

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これらの写真で、紛争の前と後で状況がどれほど違うかということが分かると思います。とてもひどいです。そして、毎日続く空爆で街が激しく破壊されていることも分かると思います。

次に、いくつかのビデオを見ていただきます。これを通して、実際の爆撃がどのようなものであるのか、そして人々が地上でどのように対応するのかが分かるはずです。これは、ホムスです。おわかりのように、1週間前に陥落したアレッポでもこのホムスと同じように、際限ない爆撃が続き、街はこのように壊滅状態となりました。想像して見てください、どれだけの家族がここに暮らしていたのかを。そして、アレッポで同じことが起こっていたのです。次にどこの街がこのような状況にさらされるのか、私たちには分かりません。多くの人に「私たちは彼らのために何ができるのか?」と聞かれますが、こうした状況を防ぐためには、お互いを思い遣り、助け合うことが必要なのです。

次のビデオには、どのように日々の爆撃が行われているのかということが映し出されています。とても悲しいことですが、シリアでは毎日、このような大規模な空爆、破壊が起こっているのです。私自身、このような爆撃により、家も何もかも失いました。

そして、次のビデオでは、爆撃の後、地上で人々がどのよう対応しているのかということが分かります。ご覧の通り、多くの人々が瓦礫の中にいる家族や埋もれている人を探し出しています。例えば、この男性は「私は家族のほとんどをこの爆撃で失った。妻も娘もだ」と言っています。私たちはこのような爆撃により、アレッポで何千もの命を失いました。その前にはホムスで何千もの命を失っています。

実は一つ前のビデオはロシア側により撮影されたものです。まるでロシアはシリアの市民を爆撃することを誇らしく思っているかのようです。そして、彼らは「テロリスト」と戦っていると装っていますが、この空爆された土地のどこに何人の「テロリスト」がいるというのでしょうか?皆さん、教えてください。

また、このような空爆の映像を見ても、実際に何が起こっているのかということを理解し感じ取るのは、とても難しいはずです。私の妹も、実際に私の家が同じように破壊された時、爆撃の音にショックで固まってしまい、私が彼女を叩き起さなければならないほどでした。誰にとっても爆撃されるという状況を理解するのは難しいのです。そして、空爆の被害に遭っているのは、その多くが子どもや女性や老人ということが分かると思います。例えば、この映像の少女は「わたしたちが空爆されなければならないような何をしたというの?」と言っています。

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私にとっては、故郷の人々が毎日死んでいっているのに何もできないというこの現状は、辛いです。故郷の人が死んでいっているのにもかかわらず、これはお金や食事の問題ではないので、何も自分にできることがないと、ここで自分自身の生活をして、新しい未来を切り開こうとしています。全く幸せな気持ちにはなれません。確かに、各国政府や国連などは人々を救おうとしていますが、正直なところシリアの人々は何も受け取っていません。政府が受けとった物資を持って行ってしまうので、本当にそれを必要としている人には何も届いていません。そして、ここで私が主張したいのは、彼らも人間であるということ、そして多くの人がいつも人権を語っている一方で、毎日100人以上の人が殺されているということを、私たちは考えなくてはならないということです。また、何もかも突然起こります。以前のシリアの人々でさえそうでしたが、一部の人は、自分に起きていない、関係のないことを他人事として、関心を持たないということがよくあるのだと思います。でも、皆さんにもいつ何が起こるかはわからないということを伝えたいです。

それでは、ここからは私自身の日本へたどり着くまでの様子、そして実際の日本での生活についてお話ししたいと思います。

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はじめに、私はダマスカス大学で英文学を専攻する大学3年生でした。日本へ逃れるということは私にとって、とても困難でした。きっかけは、先ほどもお伝えしたとおり、私の家が爆撃され、国を出なくてはならなくなり、父は海外で働いていたため、私が母と妹の面倒を見なければならなくなったからです。これは、毎日気楽に生きていた一学生にとって、多くの責任を負う父親の役目を担うというのは、あまりにも大変なことでした。それでも、やるしかありませんでした。

私たちの家が爆撃されたあと、私たちはまず1週間友人の家に避難しました。そのあと、エジプトにいる友人に連絡を取り、そこに7ヶ月滞在することとなります。ここでの生活では、私は働くこともできず、勉強もできず、将来を想像することすらもできませんでしたので、過酷なものでした。これならエジプトにいるより、爆撃が続くシリアにもどった方がいいとすら思いました。

そのような中、エジプトにいる叔父に会い、彼の奥さんが日本人だったので、彼女が日本へ行く観光ビザなどを手配してくれました。それで、日本に着いてから、東京入国管理局で難民申請を行いました。そこで、申請中の6ヶ月、一切働くことも、勉強することも、携帯すら持てないということがわかりました。この生活は、あまりにも辛いものでした。この6ヶ月間は私の人生の中で最も辛く最悪の時期となりました。

最初の3ヶ月は叔父の家に滞在していましたが、働く必要や、家族間の問題も起こるので、叔父の家から出て家族のプライベートを確保できる家を探す必要が出てきました。仕事は違法的に見つけざるを得ませんでしたので、この写真のような建設現場で働くことになりました。

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普通の学生から重労働に従事するのは、私にとって大変大きな変化でしたし、本当に辛かったです。3ヶ月間毎日身体中に新しい傷を負い、家に帰っていました。そして、最終的にとても大きな怪我をして、破傷風に感染しました。非常に危険な状態で、脚を切断しなくてはならないかもしれないほど重症でした。病院で1週間治療して、なんとか脚を切断せずに済みました。とても運が良かったのだと思います。

退院後は、建設現場での過酷な仕事を辞めて6ヶ月が経過した頃、就労許可がおりたので、合法的に働くことができるようになりました。インターネットで良い仕事を探し、お台場のカフェでの仕事を見つけ働き始めました。私は、日本語もできませんでしたが、とても良い人々に囲まれて働くことができたので、とにかく一生懸命働きました。1年間、週6日、毎日14〜15時間働き続けました。なぜなら、私が日本に来たのと同時に、父はシリアに戻っていて仕事もできない状況でしたので、私は2つの家族を養わなくてはならなかったからです。シリアにいる父にお金を送り、日本にいる母と妹を支えなくてはなりませんでした。働き始めて4ヶ月が経過したころ、日本の雰囲気にも慣れてきたので、日本人のスタッフと友達になる努力をし、コミュニケーションを図るために、彼らが使っている単語を使うなどの工夫をしました。

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1年間働いた後、ようやく難民認定がおりたので、私は、父をシリアから日本へ呼ぶことが許されました。父が来てからは、自由な時間もでき、サッカーなどの自分の趣味を楽しむ時間も確保することができるようになりました。東京の地元チームに2つ所属することにもなりました。そして、幼稚園で英語を教えるという、より良い仕事を見つけることもできました。6ヶ月間にわたりこの仕事をしましたが、園児に英語を教えるのはとてもやりがいがあり、幸せで、今でも彼らが恋しいと思うこともあります。この仕事を辞めたあと、日本政府による日本語コースに6ヶ月通いました。

このように、難民認定を受けられたことは、私にとって大きな転機となり、安心しました。それまで辛く困難な状況を経験しましたが、日本政府にはとても感謝しています。もちろん、私にとってこれらはとても悲しい時期でしたし、故郷シリアの人々に起こっていることにはとても胸が痛みます。それでも、私はここでの生活が上手くいくように、自分の将来を手に入れるために最善を尽くしています。私が欲しいものはたった一つ「幸せ」ですが、生活が上手くいき、成功して目標を達成することができても、故郷の人々を思うと幸せにはなれません。なので、彼らが私と同じような生活を送ることができることを祈っています。私は心にいつもこの想いを抱いていますが、同時に前に進まなければいけないのです。私は、大学に復学するために奨学金の申請を行い、5つ以上のテストを受けて、実は2日前に都内の大学へ復学できることになりました。

最後に、私が他の2人のシリア人とアメリカ人の友人と行っている、「White Heart for Syria」の活動についてご紹介します。私たちはイベントを開催し募金を集め、ダマスカスをはじめとするシリアの本当に助けを必要とする家庭に支援を届けるということを行っています。私たちのウェブサイトを見ていただけると、シリア政府により取られてしまう他の団体の支援とは違い、私たちが直接本当に助けを必要としている人々へ支援を届けているのがわかると思います。最後に、私が伝えたいのは、これから何が起こるか分からないこの世界で、もっとお互いを思い遣ることが必要で、それを子どもにも伝えていき、争いを防がなくてはいけないということです。今世界で何千万もの人が難民となっているとも言われている中で、私たちは何かしなくてはなりません。傷ついている人々に対して何もできなくても、少なくとも今から互いを愛するということは始められるのではないでしょうか。多く兄弟や姉妹が互いを愛し合っていないことがあります。会場の皆さんにもそういった状況があるかもしれません。私たちはこの状況に対して何かをしなくてはなりません。自己中心的になるのをやめ、互いを思い遣り、愛することができるように、私たち自身が変わらなくてはなりません。

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時間がまだ少し余っているようですので、ここでもう少しだけシリアの政治的状況、そして実際に何が起こっているのかということについてお話ししたいと思います。

皆さん、アレッポやホムスでロシアやアサド政権による空爆が行われていることはご存知の通りだと思います。アサド政権とロシアは協力関係にありますが、他にも様々なアクターがこの紛争には関わっています。例えば、ロシアの他にイラン政府やレバノンのヒズブッラー、「IS」などです。これらの勢力が自由シリア軍と対峙していますが、自由シリア軍の中にも革命のためではなく、金銭目的で戦闘に参加している人もいます。これが、私たちが未だに同じ状況におかれている理由とも言えます。なので、状況はとても複雑です。革命のために戦う善良な兵士が十分ではなく、また自由シリア軍自体が一致団結できていないので、この戦いはシリアが破壊されきるまで終わらないのだと思います。様々な和平会議で問題解決を図っているようですが、残念ながら解決には至りません。実際の事態はとても複雑で、事実はメディアで私たちが目にしている内容とも異なっています。これを、すべて説明するのはこの時間では不十分です。

最後の少しの時間で、「IS」について簡単なイメージをお話しします。彼らは自称「Islamic State」と名乗り、日本のメディアも「イスラム国」と報道していますが、これはシリアの人々やイスラーム全体に悪影響を及ぼしているということを指摘したいです。本来、各国のイスラームは、人を殺すことを禁じており、コーランにも人殺しを行うことは、全人類を殺すことと同じであると記されています。ここで、皆さんに明示したいのは、イスラームの正しい本当の姿です。多くの人が、メディアやインターネットを通して、イスラームにネガティヴなイメージを持っていて、私の友人も初対面の時、「シリア出身」で「ムスリム」であると伝えると、怖がることがありました。皆さんがイスラームの正しいイメージを持ってくださることを願っています。

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残念ながら、時間となってしまいましたので、私の話はここで終わりにさせていただきます。今日は、お越しいただき本当にありがとうございました。

2016年12月23日 ヤセル・ジャマール

日本語訳:山田一竹

※掲載画像の転用は固くお断りします。

◆イベント詳細

◆イベント動画

ジャマール氏講演は【1:17:39】から。

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An Event for Syria was Held in Tokyo. Over 450 People were Standing with Syria. 【English:العربية】

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Our event for Syria on Dec. 23rd, 2016 finished with a great success in Tokyo, Japan.  We faced the Syria crisis in all sincerity.
We took this opportunity to consider (and reconsider) about the crisis in Syria from many different aspects; screening a documentary film called Silvered Water, Syria Self-Portrait (2014 by Ossama Mohammed), a commentary from a scholar of Arabic literature; Prof. Kaoru Yamamoto,

IMG_5475 a talk from the photographer; Mr. Shin Yahiro who served with the Free Syrian Army

IMG_5476and a talk from a Syrian who became a refugee about his dear homeland Syria and his very difficult experiences in Japan.

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Also, we relayed with a member of White Helmets  (One of the bravest civil organizations of our time); Mr. Ismail Alabdullah via Skype during the event. He told the audience about the frightful situation in Aleppo.

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On the day, a great number of people, 420  people gathered for Syria.

IMG_5472Although Japan is quite far away from Syria, we always keep thinking of Syria. We are feeling your pain. Please keep your hopes up. Please stay alive. We are here standing with all of you.
Again, I thank you so much for each one of you who came out to my event on the day.
I strongly hope this year 2017 will be a peaceful year for all Syrian people who are suffering right now… and I also hope they will be able to gain the freedom, which they have been seeking for a long time…

With all my respect for those who went before us to gain the dignity to be human, Rest in Peace.

الحدث الذي أقيم في الثالث و العشرين من ديسمبر من أجل سوريا لاقى نجاحا كبيراً و واجهنا الأزمة السورية بكل صدق .
وقد ناقشنا الأزمة السورية بطرق مختلفة منها:
١-عرض فيلم وثائقي عن سوريا
٢- شرح للأحداث عن طريق مختص في أدب اللغة العربية
٣-محادثة مع أحد المصورين التابعين للجيش السوري الحر
٤-محادثة مع أحد اللاجئين السوريين في اليابان التي تناولت قصة مغادرته لوطنه سوريا و الصعوبات العديدة التي وجهها في اليابان.
تحدثنا أيضاً خلال الحدث مع أحد أعضاء White Helmets (القبعات_البيضاء )
عبر سكايب فوصف للجمهور الوضع المأساوي و المرعب الحاصل في مدينة حلب. و تحدث أيضا عن تفاصيل الحصار التي واجهتها حلب الشرقية.

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وقد أعرب عن مطالبه كما قال” نحن لا نريد طعام أو شراب. نحن نريد حرية كالشعب الياباني”
و أريد أن أتوجه له شخصياً بشكر جزيل لمشاركته معنا لهذه المعلومات القيمة.
وقد حضر الحدث أكثر من أربعمئة شخص من أجل سوريا. على الرغم من أن اليابان بعيدة عن سوريا ولكن نحن دائما نفكر و نهتم بالقضية السورية.
و أريد القول للشعب السوري أننا الشعب الياباني نشعر بآلامكم و نرجو أن لا تستسلمو و لاتتخلوا عن الأمل أبداً. إبقوا على قيد الحياة و سنفعل المستحيل لأجلكم.
و أخيراً أشكر جميع الذين حضروا هذا الحدث و كل من ساعدني للوقوف من أجل سوريا.
أتمنى من كل قلبي أن تكون سنة ٢٠١٧ سنة سلام لكل السوريين اللذين يعانون الآن، وأتمنى أيضاً أن يحصلوا على الحرية التي لازالوا يطالبون بها منذ وقت طويل و حتى الآن.

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رحمة الله على شهداء سوريا
إرقدوا بسلام

#StandwithSyriaJapan
Arabic Translation by Yasser Jamal Al Deen.
This event is now uploaded on YouTube : 【 https://youtu.be/7hYT1mpB09c

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開催を経て…今シリアに寄り添うということ。

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2016年12月23日(金)、私が企画して参りました「シリア−戦火と愛の慟哭…その狭間を生きる命『シリア・モナムール』上映会・講演会」を盛会裏に終えました。『シリア・モナムール』上映、山本薫氏によるアラブ文学・文化を織り交ぜた深い解説、八尋伸氏のシリアでの従軍取材経験、難民となり日本に逃れたジャマール氏のこれまでの歩みと複雑な想いなど、非常に多角的にシリアを考え、真摯に問題に向き合いました。

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また、当初の予定を変更しまして、現在アレッポにいる「ホワイト・ヘルメット」の隊員とSkypeで繋ぎ、包囲下の様子、避難後の状況をリアルタイムで伝えていただきました。どうしてもイベント内でシリア現地の人々の声を皆さまに届けたいと、イベント開催3ヶ月前からあらゆるコネクションを駆使して、シリア国内にいる人々にイベント登壇を交渉しておりました。しかし、その矢先アレッポが陥落、交渉は困難を極めました。その様な中、ある意味で奇跡が起こり、私の発表の5分前に「ホワイト・ヘルメット」隊員から「Skypeができる」との連絡が入りました。彼はアレッポの凄惨な状況を訴えながらも、「私達が欲しいのは、資金や食糧では無い。欲しいのは自由だ。あなた達日本人が手にしている自由だ」と訴えました。この言葉の重みを私たちは改めて胸に刻む必要があります。

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本イベントでは、膨大な犠牲者数に埋もれてしまった一人ひとりの個々の存在に光を当てることを試みました。それは、シリアでの出来事が、そしてシリアを生きる人々の存在が、日本において「遠いどこかの『物騒』な国で起きている『不幸』」として伝えられ、認識されていると痛感したからです。
彼らは、私たちと同じ尊厳のある人間ではないのでしょうか?人間が人間らしく生きること。「ホワイト・ヘルメット」の隊員がそう訴えたように、自由と誇りを持ち人間らしく生きたいと願うことはそんなに野蛮なことでしょうか?彼らが爆撃で木っ端微塵になっても、化学兵器で息ができなくなって死を迎えても、拷問によりなぶり殺されても、それは彼らの責任なのでしょうか?この内戦で死んでいった人、祖国を追われた難民、難民になることも許されず海の藻屑となった人、武器を取り抵抗せざるを得なかった人、今日を必死で生き延びようと逃げ惑う人、みんな命です。その重みは、国や宗教や思想で変わるはずもなく、彼らが流す血も、裕福な国の有力者が流す血も、私たちが流す血も同じ色です。命に格差があってはならない。限りなく不平等なこの世界で、これだけは守られなくてはならない平等なのだと、私は強く思います。

当日、沢山の方がシリアのために集いました。イベントにお越しいただいた理由も皆さんそれぞれ違うと思います。当日感じたことも、それぞれにあると思います。それでも、あの日会場はシリアと共にありました。美しいシリア、抵抗するシリア、壊滅したシリア。そして、移り行くシリアの中で、懸命に生きる命の存在。その命が私たちと同じ尊厳のある命であるという紛れもない事実。シリアは今、最も困難な状況にあると言えます。まだ尚、そこに生きる人は痛めつけられ、絶望の淵に追いやられています。シリアの熾烈な状況を変える力は私たちにはないのかもしれません。それでも、そこに懸命に生きる命がある限り、私たちは苦しみを生きる彼らに寄り添い、彼らの「生きる希望」となることはできるのではないでしょうか。この希望はとても小さなものですが、空爆では壊されない、そして私たちが諦めない限り生き続ける強いものだと思います。
街を彩るクリスマスムードとは掛け離れた内容となりました本イベントですが、現在の日本がいかに「平和」であるか、そのありがたみを噛み締めながら、シリア危機を今までより少しでも身近な問題として捉え、今後もそこに生きる人々の痛みと希望を想い続けていただけることを願っています。日々の生活でご多忙であるとは思いますが、それでも、ほんの少しでも彼らに想いを馳せてください。一人でも多くの人に、このイベントを通して知ったこと、感じたことを伝え続けてください。
当日は運営や通訳等、至らない点が多々ありましたことをお詫び申し上げます。私は、シリアで多くの若者が立ち上がっていることと同様に、日本でも大学生という若い世代が立ち上がり、出来うる限り学生だけでイベントを運営することに意味があると思っております。ご指摘いただきました点はしっかり改善をしつつ、今後も未熟ではありますが、若い世代が発信することに拘りを持ち、大切な仲間と共にイベントを運営して参ります。
最後に、シリア内戦において犠牲となった30万人の命。この中に、尊厳を保ちつつ人としての最期を全うできた命がどれだけあったのでしょうか。弔われることの無い尊い命の存在を、私たちは決して忘れてはならないのです。
すべての内戦の犠牲者と、シリアを生きる全ての人々の無事を願い、愛と哀悼の意を捧げます。

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Our prayers and thoughts are with all Syrians who sacrificed their precious lives to gain the dignity.

2017年1月3日 主催者代表 山田一竹

 


当日のプログラム

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シリア危機に想いを馳せて 。

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2016年12月23日に開催いたしました「シリア−戦火と愛の慟哭…その狭間を生きる命『シリア・モナムール』上映会・講演会」における代表者山田一竹によるメッセージとなります(当日の配布資料の一部)。  ※一部編集済み

 


この度は、お忙しい中「シリア−戦火と愛の慟哭…その狭間を生きる命『シリア・モナムール』上映会・講演会」にお越しいただきまして、誠にありがとうございます。現在、シリア危機は、今まで以上の難局に直面しております。今年に入り、革命の都市と呼ばれたダーリヤ(DARAYYA)が政府軍により制圧されました。そして、激戦が続いていたシリア北部に位置するアレッポ東部もついに政府軍に制圧されました。2016年12月15日アサド大統領はビデオ声明でアレッポに対する勝利宣言を発表しました。そして人々の「退避」が始まった様子をニュースでご覧になった方も多いと思いますが、現在政府軍側が反体制派に関係したと見られる市民を次々処刑しているという情報も入っています。国連はアレッポで起こる重大な人権蹂躙に対して警鐘を鳴らしています。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、政府軍やアサド派の民兵が市民を殺害した証拠も発表しています。この様な状況下で人々は日々、極限状態に晒されています。アレッポ制圧の直前には、多くの市民がSNSを通じて「最後のメッセージ」発信しました。

「私たちの命を助けてください。アレッポを救ってください。私たちは殺されています。」

「助けてください」という最期の言葉は誰に向けられ、誰に届いたのでしょうか。同じ時代を生きる同じ人間が、どうしてここまで痛めつけられ、踏みにじられなくてはならないのでしょうか。自分の無力さに怒りすら覚えます。それでも、「イベントを開催し、一人でも多くの方に足を運んでいただき、シリアの惨状に想いを馳せ、そして何より彼らの痛みに触れていただく」、これが、今の私に出来る精一杯のことだという思いから、当イベントの企画を進めて参りました。シリアの圧倒的な惨状や人々の悲痛な叫びに眠れない日もありますが、私は、彼らの叫びを受け取った人間としての責務を果たしていかなければならないと思っています。

遠いに日本暮らす私たちには何もできないと思っていませんか。確かに私たちには紛争を解決する力はないのかもしれません。でも、私たちには「彼らを知り、彼らに想いを馳せること」はできるはずです。私のシリア人の友人は「ただ忘れないでいてほしい」と静かに言いました…。内戦は5年以上にわたっています。国際社会が有効な解決策を見出せない中、人々は今、絶望の淵に追いやられながらも細やかな希望を見出して、一日一日命を繋いでいます。どれほど、不安な日々でしょう。どれほど、辛く苦しい日々でしょう。その様な中で、遠い国で自分たちのために祈り、立ち上がってくれる人々がいることにどれだけ励まされることでしょうか。今日、私たちは、遠い日本でこうして集い、シリアを想っています。「私たちはシリアを見捨ててはいない」という連帯を示しています。

シリア内戦に伴う死者数は30万人を超え、400万人を超える人々が難民として避難を余儀なくされました。想像してみてください。朝、起きて空爆であなたの家に爆弾が降り注ぐことを、目の前であなたの家族が爆撃されることを、あなたの愛する人にお別れの言葉も「ありがとう」の言葉も伝えることができないことを。そして、愛する故郷を離れなければならないことを…。それが430万人を超える人々に現実として起きているのです。彼らは、私たちと同じ人間です。尊厳のある人間です。日々飛び交う報道の裏にある、彼らの痛みを感じてください。彼らの命の叫びをどうか無駄にしないでください。そして忘れないでください。彼ら一人ひとりに掛け替えのない人生があり、大切な家族がいて、そしてシリアは彼らの愛する故郷であるということを。彼らは、私たちが今当たり前に手にしているものを求め続けているということを。彼らが希望を捨てていない限り、私たちもまた希望を捨ててはなりません。

私はいつの日かシリアに平和が訪れ、人々が尊厳を持って当たり前に生き、そして、当たり前に尊厳のある死を迎えられる時が来ると信じています。その時まで私は諦めません。どうか皆様も、苦しみもがきながら、生きたくても生きられなかった命の重さを、そして、恐怖に怯えながらもシリアの今を懸命に生きる、尊い命の鼓動を胸に刻み、これからもシリア危機に向き合い続けて下さい。どうか、今日ここでの想いを一日限りにしないで下さい。

本日は、誠にありがとうございました。改めまして御礼申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

シリア内戦で犠牲となった全ての人へ心からの愛と哀悼を込めて。

2016年12月23

主催者代表 立教大学異文化コミュニケーション学部 山田一竹


 

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【12月23日開催】「シリア−戦火と愛の慟哭…その狭間を生きる命『シリア・モナムール』上映会・講演会」| 同時開催写真展

15168776_1348059461894893_2041274299590019146_o皆さま、大変ご無沙汰しております。
立教大学異文化コミュニケーション学部の山田一竹です。

皆様、お変わりはありませんでしょうか。
「今、等身大で彼らに向き合う『それでも僕は帰る シリア 若者たちが求め続けたふるさと』上映会・討論会」を開催してから、早くも一年が経とうとしています。あれから一年…残念ながら、シリアを巡る状況は熾烈を極め、混迷の一途を辿っています。シリア内戦に伴う死者数が30万人を超え、400万人を超える人々が難民として避難を余儀なくされました。シリアでは、今この瞬間にも尊い命が燃え尽きています。

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前回のイベント終了時より、第二弾の企画を進めてきました。「シリアはどこへ向かっているのか、そこに生きる命の鼓動とは…」僕はシリアに、彼らの愛する故郷に向き合い続けてきました。時には、あまりにも凄惨な状況に眠ることすら出来ないこともありました。ドロ沼化が止まらず、解決の糸口すら見えない状況に遣る瀬なさと無力感でいっぱいになる事もありました。それでも僕はここで立ち止まるわけにはいかないのです。「膨大な犠牲者数の裏にある、一人ひとりの姿、物語に想いを馳せ、彼らの痛みを忘れないでほしい」。12月23日開催、「シリア−戦火と愛の慟哭…その狭間を生きる命『シリア・モナムール』上映会・講演会」是非お越しください。

『私たちは、シリアを見捨ててはいない』、再び会場に集い連帯を示す機会としましょう。
それでは、当日、皆様にお会いできることを心より願っております。

以下、イベントの詳細です。


【概要】
当イベントは、シリアよりパリへ亡命した映画作家オサーマとシリアの前線でカメラを廻し続けるシマヴの物語を1001人のシリアの人々がSNSへ投稿した映像でつなぎ合わせた映画「シリア・モナムール」の上映を通し、シリアで繰り広げられる荒れ果てた暴力と、それに翻弄され、絶望の淵に追いやられながらも、希望を求め続ける人々の存在に触れます。上映後には、アラブ文学者による映画解説を得た後、シリアで反政府運動に身を投じる若者たちの日常を追ったフォトグラファー、在日シリア難民の方、学生を交え、討論会を行い、シリア情勢を複眼的視座より考察することで理解を深める。「生きるとは…。そして、命とは…。」遠く離れた日本で「平和」を当たり前に享受する私たちが忘失した疑問を覚醒し、シリア危機を他人事からより身近な問題へと転ずる機会とする。
イベントと並行して、12月21日〜25日まで写真展を開催する。フォトグラファー八尋伸 氏が2012年よりシリアで撮影した写真20点(自由シリア軍兵士や家族の日常、アレッポの戦闘など)を展示し、シリア紛争を生き抜く個々の素顔に触れる。

【上映会・講演会】
12月23日(金曜・祝日)
会場:立教大学池袋キャンパス 9号館2階 大教室
⇨立教大学池袋キャンパスへのアクセス: https://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/direction/
⇨立教大学池袋キャンパスマップ: https://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/campusmap/
入場無料、予約不要、どなた様も直接会場へお越しください。

◆プログラム◆
14:00 開会挨拶:趣旨説明 石井正子(立教大学異文化コミュニケーション学部 教授)

《第一部:映画上映》
14:10 映画上映開始(96分間)
15:46 映画上映終了・休憩

《第二部:トークセッション》
16:00 山本薫 氏「映画解説-文学から見つめるシリア」
16:30 八尋伸 氏「シリア 革命の素顔」
17:00 休憩
17:30 ジャマール 氏「私とシリア、そして、日本。」
18:00 山田一竹「今、シリアに想う:ジャーナリスト桜木武史氏とシリア人へのインタビューを通して」
18:20 登壇者との質疑応答

18:50 閉会挨拶: 山田一竹(立教大学異文化コミュニケーション学部 4年)

◆映画詳細◆
「シリア・モナムール」(英題:Silvered Water,Syria Self-Portrait,アラビア語:ةضفلا ماء
フランス語:Eau argentée,Syrie autoportrait)
シリア・フランス/2014年/96分/アラビア語(日本語字幕)
監督・脚本:オサーマ・モハンメド、ウィアーム・シマヴ・ベデルカーン
写真・映像:ウィアーム・シマヴ・ベデルカーン、1001人のシリアの人々、オサーマ・モハンメド
配給:テレザとサニー
後援:公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
協力:山形国際ドキュメンタリー映画祭
ストーリー:亡命先のパリで、故郷シリアの置かれた凄惨な実状に苦悩し続けていたひとりの映画作家、オサーマ。苛烈を極める紛争の最前線で繰り返される殺戮の様子は、日々YouTubeにアップされ、ネット上は殺す者、殺される者双方の記録で溢れかえる。カメラを持たない映画作家が、シマヴというクルド人女性に愛の希望を見出し、1001の映像を自らの眼で選択し、ストーリーを構築した本作は、夥しい犠牲者と戦場を捉えるドキュメントにはとどまらず、その個々の死に刻まれた深い傷と愛、絶望の中でも普遍の愛を見出していく、命についての物語である。カンヌ国際映画祭2014特別招待作品、ロンドン映画祭2014ベストドキュメンタリー賞、  山形国際映画祭2015優秀賞、その他多くの国際映画祭にて正式上映。
・映画詳細: http://www.syria-movie.com/introduction
・予告編: https://youtu.be/kPdb3ljW1C8

◆登壇者略歴◆
《外部登壇者》
山本 薫 氏
東京外国語大学外国語学部アラビア語学科卒業。シリア、エジプトへの長期留学を経て、東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程修了。専門は、アラブ文学・文化論。東京外国語大学ほか講師・研究員。主な論文に「現代シリアの作家たち―監視下の創造力」『シリア・レバノンを知るための64章』(明石書店)、「我々を隔てることはできない―映画『スリングショット・ヒップホップ』が見せたパレスチナラップの可能性」『インパクション175号』(インパクト出版会)他。翻訳書にエミール・ハビービー著『悲楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事』作品社、2006年。

八尋 伸 氏
中東の社会問題、紛争、難民、災害等を関心領域とする。2010年頃より、主に、タイ騒乱、エジプト革命、ビルマ紛争、シリア内戦、東日本大震災、福島原発事故を取材し発表。シリア内戦シリーズで2012年上野彦馬賞、2013年フランスのThe 7th annual Prix de la photographie, Photography of the year受賞、ビルマ民族紛争シリーズで米国のThe 7th Annual Photography Master Cup, Photojournalism部門でノミネート等、国内外で活躍。

ジャマール 氏
シリア、ダマスカス出身。現在24歳。ダマスカス大学で英文学を専攻していたが、内戦の激化に伴い、戦火をくぐり抜け2013年2月に母と妹と共にシリアを出国。2013年10月に来日。1年半の間、難民認定許可が下りるのを待ち続け、2014年に日本政府より正式に難民認定を受ける。現在、日本の大学入学に向け、日本語学習に励む一方、シリア内戦下に暮らす支援を必要とする人々の命を繋ぐための支援活動を続ける。

桜木 武史 氏(*山田一竹よりインタビュー内容の報告)
フリーランスのジャーナリストとして、2002年よりパキスタン、アフガニスタン等を取材。その後、「アラブの春」に関心を持ち、2012年3月から2015年4月まで計5度に渡り、シリアに足を運ぶ。著書『シリア 戦場からの声-内戦2012−2015』(アルファベータブックス)において、戦火の中で必死に生きる市民の姿を記録し、複雑な背景を知らない読者と同じ目線でシリア内戦を描いているとして高く評価され、2016年「山本美香記念 国際ジャーナリスト賞」を受賞。

【八尋伸 写真展 シリア-革命と愛の狭間に生きる命】
2016年12月21日(水曜)〜25日(日曜) 12時00分〜20時00分*
※5日間連続開催。
会場:立教大学池袋キャンパス 9号館 9202号室
⇨立教大学池袋キャンパスへのアクセス: https://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/direction/
⇨立教大学池袋キャンパスマップ: https://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/campusmap/
入場無料、予約不要、どなた様も直接会場へお越しください。
八尋伸 公式HP: http://www.shin-yahiro.com/

*初日16時00分open~、最終日~17時00分close、23日は10時00分〜12時00分の部と19時00分〜21時00分の部。22日・24日は通常運営

・立教大学公式イベントページ:
http://www.rikkyo.ac.jp/events/2016/12/18477/

パンフレット

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上映映画「シリア・モナムール」パンフレット

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開催を経て…今シリアに向き合うということ。

12552933_1106486422718866_8673614718754426740_n皆さま、こんばんは。山田一竹です。
一昨日、「今、彼らに等身大で向き合う『それでも僕は帰る 〜シリア 若者たちが求め続けたふるさと〜』上映会・討論会」は盛会裏に終えることができました。私達の予想を遥かに上回る200名以上の方々にご来場いただき、大変嬉しく思っております。ここに、改めましてお礼申し上げます。

無力な一大学生に本当にこのイベントが実現出来るのか。全てが初めての事ばかりで、不安と戸惑いの連続でした。しかし、応援してくださる皆様のお力をお借りして、何とか開催に漕ぎ着けました。

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「混迷を極めるシリアを生きる人々に、同じ人間として等身大で向き合う。」これが、当イベントの最大の目的でした。私自身も、遠いシリアの現実を身近な問題として捉えることは大変難しいと痛感しております。
しかし、当イベントでの、映画上映、解説、報告、監督との質疑応答を経て、少なからず日々の報道で飛び交う被害者の数の裏にある人々に思いを馳せ、彼らの痛みに触れることはできたのではないでしょうか。

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シリア情勢は依然として、熾烈を極めています。
これからも、私は彼らに、そして彼らの愛するふるさとに向き合い続けていきます…。

皆様から頂いた、アンケート全てに目を通させていただきました。お褒めの言葉、励ましの言葉、また、大変貴重な厳しいご意見までありがとうございます。次のイベントに期待を寄せて下さるご意見も多く頂戴いたしましたので、次に繋けて行けるよう、一層努力して参ります。

皆様にまたお会いできることを信じております。

2016年1月16日 山田一竹