プロジェクト

アドボカシー(政策提言)事業

目的

➀日本におけるシリア危機の関心向上
日本では、シリア危機に関するそもそもの報道が限られており、私たちがアクセスできる情報が限られています。シリアで抑圧される人々に寄り添うには、「まずは知ること」が求められます。(Public Awareness Raising)
②日本おけるシリア危機の意識改革
残念ながら日本におけるシリア危機の報道やイベントのほとんどが、戦況中心であるか、「シリアは平和であった」という言説に執着し現状とはかけ離れたものです。これらは、実際に懸命にシリア危機を生きる人々の存在を覆い隠してしまいます。単にに関心を高めるだけでは無く、シリア危機を公平に理解するための事業となります。
③人権・人道の観点に基づく「復興」と「再建」の要求
現在、国際社会で問題となっているのはシリア市民を迫害し続けているシリア政府が推し進める「復興」や「再建」です。真実から目を背ける言説やプロパガンダが蔓延している日本では、この点が問題視されることがありません。人権・人道主義に基づいた政策を国レベルで進めることは、シリアに平和を築く上でもっとも重要だと言えます。

活動内容

1. セミナー、映画上映会、学術シンポジウム、芸術・文化交流など「シリア・イベント」を開催・運営します。全イベントにおいてシリア人の声を届けるために、必ず取り扱うテーマの当事者・専門家であるシリア人をゲスト講師に迎えています。

2. SNSやメディアを通して、日本の世論形成を行います。例えば、政権による無差別空爆に反対するフォトキャンペーン、ジャーナリストハウスからの動画発信

3. SSJの高い専門性を生かして、適切な対シリア政策を求めるために、⽇本政府・⺠間企業に対しても、政策提⾔・協⼒要請を⾏います。

***2020年度アドボカシー事業は、「草の根市民基金・ぐらんの助成」のもとで実施されております。
>>> https://citizensfund-grand.org/ <<<

アドボガシー事業の活動レポート

シリア危機支援事業(人道支援事業)

目的

①シリア国内の緊急的な⼈道危機に対応
シリアでは、空爆や化学兵器攻撃により引き起こされる緊急事態が多発します。このような事態は、おびただしい数の国内避難民を創出するため、避難民の生存を守る緊急支援が必要不可欠となります。
②生活基盤を奪われた人々に自立の道を切り拓く
無事に避難した市民は、避難テントや仮設住宅で生活し、これまでの生活基盤(職業・家屋・家財・家畜など)を依然として奪われています。彼らが再び、人間らしく尊厳を持ち、自立支援が何よりも大切になります。

活動内容

1. 緊急事態に対応する緊急支援では、主にSSJがパートナーシップを結ぶシリア市民組織(NPO)を通して、日本で募った寄付金を元に、食料・飲料水・毛布・テント・衛生用品を避難民に広範囲に単発的に配布します。

2. 継続支援では、サポーターの皆様からの毎月の寄付を元に、避難民となり生活基盤を失った家庭を対象に、継続的な支援をしています。SSJの支援無しで生活が出来ることを目指し、各家庭にSSJ現地スタッフが頻繁に通い、ヒアリングと交流を行い、共に尊厳を取り戻す密着型の支援です。現在は5家庭を毎月サポートしています。


※基本的に政権に支配されていない地域において支援を展開しています。
第1に、シリアにおける90%の破壊はアサド政権勢力によるため、必然的に最も破壊された地域での支援が求められる。第2に人道支援者はアサド政権に攻撃対象とされ、支援金・物資政権の徴収対象となっているため、セキュリティと公平性を鑑みると政権側地域での支援は不可能。

人道支援事業の活動レポート

シリア危機支援事業(人権擁護事業)SSJジャーナリスト・アクティビストハウス

目的

①シリア国内で命懸けで活動するジャーナリスト・アクティビストの支援と情報発信のサポート
圧倒的に支援の足りていないジャーナリストに対して、支援を行います。これは、表現・報道の自由という人類普遍の人権保護活動の意味も持ちます。
②シリアで起きた事実のアーカイブ
メディアに取り上げられることのないシリア国内でのあらゆる事実を、ジャーナリストへの支援を通じて記録として残します。こうした記録を残す活動は、現在進行形で続く残虐行為への抑止力に繋がることはもちろん、紛争終結後の「移行期正義」においても、平和を築き上げるために重要な証拠となります。

SSJ 所属ジャーナリスト

  • Hadi Al Abdullahハーディ・アル=アブドッラ

    シリアを代表するジャーナリスト、アクティビスト。現在、イドリブ県在住。ハーディの比類ないジャーナリズム精神は世界的に最高峰の評価を受けている。2016年、国境なき記者団(RSF)世界報道自由賞(ジャーナリスト部門)を受賞するなど、これまでに数々の国際的なジャーナリズム賞を受賞している。

    プロフィール
  • Merna Al Hasanミルナ・アル=ハサン

    イドリブ県出身のジャーナリスト。これまでOrient TV、Syrian Press Centerなどのレポーターを歴任、同時にコンテンツライターとしてHibr Press、Sada al-Shaam Newspaper、など数々のメディアで報道・執筆活動を通してシリアの状況を訴え続けた。2020年5月、国際女性メディア基金(IWMF)より、勇気報道賞を受賞。現在イドリブ県において最も注目される女性ジャーナリストである。

    プロフィール
  • Mohamed Al Daherモハンマド・アッ=ダーヘル

    イドリブ有数のジャーナリスト・メディアアクティビスト。2013年には、仲間のジャーナリストらと国内外のメディアに映像・情報提供を行う独立したメディア組織、MMC(Macro Media Center)を設立。

    プロフィール
人権擁護事業の活動レポート