2016年12月23日(金)開催「シリア−戦火と愛の慟哭…その狭間を生きる命『シリア・モナムール』上映会・講演会」における、「ホワイト・ヘルメット」(現在もシリアにおいて救援活動に従事する民間団体)の隊員によるシリアからの現地中継となります。アレッポ陥落の様子、避難後の生活状況、シリア人としての想い、そして日本の皆さんへのメッセージという非常に貴重で重要なメッセージです。ぜひ、ご一読ください。

_dsc6290 


私は今、アレッポの西側にいます。

アレッポの包囲は3ヶ月と15日間前から続いていました。包囲網に対するロシアによる激しい爆撃が10日間続いたため、アレッポの西側に移動を強いられました。包囲下での状況は、想像を絶するものでした。人々は、飢え、薬や病院もなく、けが人の治療をする機関もなく、とても苦しんでいました。現在も、お年寄り、子ども、孤児、歩くことができないなどのハンディキャップを持った人々は包囲の中に取り残されています。自由シリア軍兵士も何人か残っています。

このような熾烈な状況に加えて、ロシアと政権側は、たる爆弾や化学兵器など、国際社会で禁じられている武器を使用しています。これらの爆撃により、すべての建物が破壊され尽くされ、人々が生活できる家屋はほとんどなくなり、必要な生活ラインも破壊尽くされました。アレッポ東部は、絶対に暮らせるような状況ではなくなりました。動物ですら空爆の音に怯えて暮らせないような状態なのです。

私は、包囲網から逃げ出す前には、爆撃を避けるため建物から建物へと移動しており、この状況は24時間以上にわたり続きました。その際私は、政権側のスナイパーが人々を撃ち殺している、瓦礫に多くの人が下敷きにされている、そして激しい爆撃が建物に降り注いでいる状況を目撃しました。私はジャーナリストとして活動もしていますが、ジャーナリストですらこの状況下では、人々を助けることも、写真や動画を撮影することも何の記録をとることもできませんでした。実際に、お年寄りも含んだ100人にのぼるとも言える人が岩や土、瓦礫の下敷きになり、怪我をしたり、死んでいましたが、爆撃が止まないため、「ホワイト・ヘルメット」でも助けることもできず、避難しなくてはなりませんでした。

そして、私は3ヶ月前の包囲が始まった最初の日から、メディアに「こういった過酷な状況がここで発生するだろう」ということを訴え続けてきましたが、誰も耳を傾けず、結局取り合いませんでした。

%e3%82%a4%e3%82%b9%e3%83%9e%e3%82%a4%e3%83%ab%e3%82%a2%e3%83%83%e3%83%97

次に、現在のアレッポでの食糧状態ですが、5人に対して、2日に5切れのパンが得られるだけです。これは、家族が10人でも5人でも関係ありません。ですので、1人は、1日にだいたい1枚の半分かけらのパンが食べられるだけです。また、水も清潔ではありません。井戸水を飲んでいますが、ガスも無いので煮沸することも、電気も6ヶ月間無いのでろ過することできず、不潔な水を飲むことで病気を引き起こしている人もいます。この過酷な状況に加えて、アレッポ市内の7つの病院・子どもの病院も全て破壊されてしまったので、人々や怪我をしている人々を助けることが全くできていません。

シリアで今起きていること、この状況は、我々が2011年に自由と誇りを求めて起こした革命の結果です。世界中の人々、国連はこのあまりにも熾烈な状況を、毎日何人が殺され、死んでいっているのかを知っています。それでも、ただ数を数えるだけです。各国の政府は、国連安全保障理事会で拒否権を行使するロシアや中国を囲んで、会議をしているだけです。これにより、国際社会の機能は停止されるのです。彼らの手は、殺されたシリアのすべての人々、子どもの血に塗られています。

この殺戮はいつまで続くのでしょうか?日本の皆さんや、日本政府は各国の他のどの政府よりもこの問題に責任を持っていただきたいです。特に、アサド政権やロシア側をはじめとする戦争犯罪人を裁くということに責任を持っていただきたいです。まず、2011年に平和的にデモをしていた市民を無差別に殺戮したアサド政権側は裁かれるべきです。

%e3%82%a4%e3%82%b9%e3%83%9e%e3%82%a4%e3%83%ab%e3%80%80%e8%a8%b4%e3%81%88

そして、最後に、私たちは食糧やお金などの援助が欲しいのではないのです。私たちはただ自由が欲しいのです。私たちが何を想っているのかということを自由に話す、このイベントで今日行っているような、そんな自由が欲しいのです。私たちは、日本のように自由に発言ができる国になりたいのです。紛争を終わらせて、日本がかつて歴史の中で再建したように、私たちもシリアを再建してゆきたいのです。

 

fullsizerender%ef%bc%92

2016年12月23日

翻訳:ヤセル・ジャマール、山田一竹

※掲載画像の転用は固くお断りします。

イベント詳細

◆イベント動画

ホワイト・ヘルメットのメンバーの登壇は【1:56:40】から。

◆関連記事:

「決してシリアを忘れていない」立教大の学生が企画「シリア・モナムール」上映会・講演会(1)

「決してシリアを忘れていない」立教大の学生が企画「シリア・モナムール」上映会・講演会(2)