シリア大地震初動緊急支援報告
2023年2月6日未明に発生したトルコ・シリア大地震から2カ月が経過し、シリアにおける甚大な被害の全容が明らかになってきました。シリア人権ネットワークによると、今回の大震災のシリア人の死者数は10024人と報告されており、うち5439人がトルコ在住のシリア人避難民、4191人が非政権支配地域在住、394人が政権支配地域在住とされています。こちらのデータを見ても分かる通り、シリア非政権支配地域における死者数が最も多く、その圧倒的な被害の大きさが見て取れます。非政権支配地域で多くの犠牲者が発生した原因として、震源に近かったことはもちろんですが、国連・国際社会による支援の大幅な遅延が影響したことが理由の一つとして報告されています。
SSJでは地震発生同日に義援金キャンペーンを公開、同時にシリア北西部の現地スタッフ4名が地震被害状況と支援ニーズのヒアリング調査に入りました。10日には募った義援金を最も被害が甚大かつ国際的支援が入らない非政権支配地域アレッポ県ジュンダリスとイドリブ県ハーレムの2地域へ搬入し、迅速に緊急人道支援活動を開始しました。これらの地域でのSSJによる支援活動は今日現在も継続されています。緊急支援の主な内容としては、大地震発生直後から家を失い、路上生活やキャンプ生活を続けている人々に対して、毛布、食料、衛生用品などを迅速に届けてきました。また、発生から2カ月が経過し、少しずつ人々が生活を立て直し、支援形態も緊急支援のフェーズから中期・長期支援へと移行していく一環として、SSJでは地震で倒壊した住居の再建支援なども並行して行っています。